未成年の友人同士のお金の貸し借りに関する法律と解決策

未成年の友人同士のお金の貸し借りに関する法律と解決策

読者からの質問:
お金の貸し借りについて困っています。友人A(17歳)が友人B(17歳)に30万円を貸していて、11月までに返してほしいと言っているのに、返してくれないみたいです。友人Aの話を聞くと、利子を付けていて、9000円を貸して1万円で返してもらうことを何回かやっているそうです。その結果、返すペースよりも貸しているペースの方が多くなってしまったようです。友人Aは借用書を使っておらず、口約束だけで、証拠としてはLINEのメモ(〇月〇日に〇円貸した)しかないそうです。

友人BはAO選抜で専門大学への進学が決まっているため、友人Aは返してくれない場合、3月頃に学校や家族にお金のことを伝えて友人Bの進学を取り消そうと考えているようです(1月や2月だと他の専門を受ける可能性があるため)。

ここで友人Aからの質問です。
・お金の貸し借りの利子は年間18パーセントまでですが、これは貸している額全体に対してなのか、それとも貸している1回1回に対してなのか?
・未成年同士の貸し借りについて、未成年だとお金を返す義務がないと聞きましたが、簡易裁判所などで請求することはできるのでしょうか?
・お金の貸し借りが学校で問題になった場合、友人Bの進学は取り消されるのでしょうか?
・何回か返済はされているものの、さらに借りたのに返す気がないのは詐欺罪に該当するのでしょうか?
・返済が滞った場合、その分の利子を要求できるのでしょうか?

長文になってしまいましたが、よろしくお願いします。友人AやBについて質問があればお答えします。

お金の貸し借りに関する悩みを解決する法律的視点

読者からの質問、興味深い内容だ。友人同士の貸し借りは、特に未成年同士である場合、非常に複雑な問題を引き起こすことがある。今回は、友人AとBの状況を踏まえつつ、法的な観点からこの問題を考えてみたい。

利子の取り決めについて

まず、利子に関する質問だ。「お金の貸し借りの利子は年間18パーセントまで」というのは、日本の法律に基づいた上限である。しかし、これは全体の金額に対して適用されるものであって、一回一回の貸し出しに対して適用されるわけではない。つまり、友人Aが友人Bに貸した30万円全体に対して、年間18%を超える利息を請求することはできない。この点を理解しておくことは非常に重要だ。

友人Aが「9000円を貸して1万円で返してもらう」という取り決めをしている場合、それは利息を含めた形での貸し借りが成立していることになる。ただし、これは法律的に見て少しリスキーだ。なぜなら、口約束だけでは証拠が残らず、トラブルが起きた際に立証が難しくなるからだ。将来的に仲間内で問題が発生することも考慮し、今後は書面での借用書を作成することをおすすめする。

未成年同士の貸し借りについて

次に未成年同士の貸し借りに関する法律だ。「未成年はお金を返す義務がない」との話を聞いたことがあるかもしれないが、実はこれは誤解だ。未成年には契約を結ぶための制約があるが、必ずしもお金を返さなくても良いというわけではない。たとえば、友人Aが友人Bに30万円を貸した場合、これは契約として成立する可能性がある。しかし、その契約が法的に有効かどうかは、さまざまな要因による。

簡易裁判所での請求についてだが、未成年者同士の場合、必ずしも訴えが通るわけではない。たとえ請求が認められたとしても、友人Bが未成年であるため、友人Aには法的な強制力を行使することは難しい。結局のところ、友人同士の問題は友情に影響を与えることが多いので、法的手段を取ることは最終手段として考えておいた方が良いだろう。

学校での問題と進学への影響

続いて、友人Aが考えている「学校や家族にお金のことを伝える」件についてだ。これは非常にデリケートな問題である。もし学校がこの問題を知った場合、友人Bの進学が取り消されるかどうかは、学校の方針や具体的な状況によるだろう。しかし、一般的には友人Bが進学のためにAO選抜を通過しているのであれば、学校がその理由だけで進学を取り消すことは考えにくい。

それでも、友人Aがこのような手段を取ることは、友人関係に壊滅的な影響を与えかねない。友人Aには、まずは友人Bとしっかりコミュニケーションを取り、問題を解決する方法を考えてほしい。

詐欺罪の観点から見る

友人Aが気にしている「詐欺罪」についてだが、これに関しては慎重な判断が必要だ。友人Bが借りたお金を返す意思がない場合、それは詐欺罪に該当するとは限らない。詐欺罪とは、他人を欺いて財物を不法に取得する行為を指すが、友人Bが借りたお金を返す意思があれば、その行為は詐欺にならない可能性が高い。もちろん、友人Bが意図的に返さない場合は問題だが、まずは冷静に状況を見極める必要がある。

返済が滞った場合の利子について

最後に、返済が滞った際に利子を要求できるかという点だ。基本的には、契約に基づいて利子を請求することができるが、友人Aが口約束での貸し借りを行っているため、正確には証明が難しい。今後は、必ず書面での借用書を作成し、その条件を明確にすることが重要だ。

まとめ

お金の貸し借りは、特に未成年者同士では非常にデリケートな問題だ。友人Aは、友人Bとの関係を大切にしつつ、法的な観点も考慮して問題を解決する手段を見つけることが重要である。口約束ではなく、書面での契約を結ぶことで、未来のトラブルを未然に防ぐことができるだろう。

このような問題に直面した場合、感情的になりすぎず、冷静に状況を判断することが大切だ。友人同士である以上、コミュニケーションを大切にし、相手を理解し合うことで問題解決に向けて進んでいくことができるだろう。法律的な知識を持っていることはもちろん大切だが、最終的には人間関係がすべてを左右することを忘れないでほしい。