読者からの質問:
離婚の公正証書を作成する際に、弁護士に依頼するメリットはあるのでしょうか。今のところお互いに揉めているわけではありませんが、将来的に養育費の支払いが滞ったり減額を求められた場合、弁護士が関わっていた方が安心だと思っています。強制執行文言は入れるつもりですが、お互いに合意している内容が全てだとも感じています。

第三者である弁護士を交えておくことで、将来的に問題が起きた場合に有利になるのか、アドバイスをいただけると助かります。また、弁護士は公正証書の写しを保管するのでしょうか。

現在の話し合いでは、養育費の金額がかなり高額（相場の倍以上）で合意している状況です。

離婚公正証書作成における弁護士の役割とそのメリット

離婚というのは人生の中で非常に大きな出来事であり、感情的な面も含めて多くのことを考えなければならない。特に、子供がいる場合には養育費などの問題が絡んでくるため、冷静な判断が求められる。読者からの質問にある通り、離婚の公正証書を作成する際に弁護士に依頼するメリットは果たしてあるのだろうか。私自身も、この問題について考えてみた。

公正証書とは何か

まず、公正証書とは、公証人が作成する、当事者間の合意内容を法的に証明する文書のことだ。離婚の場合、養育費や財産分与、親権などについての合意を明文化するために利用される。公正証書の大きなメリットは、将来的に何らかの紛争が生じた際に、その内容が証拠として利用できる点だ。

例えば、養育費の支払いが滞った場合、相手方に対して強制執行を行うためには、強制執行文言が入った公正証書が必要になる。これがなければ、いざという時に「約束したことを守らない相手」に対して法的手段を取ることが難しくなってしまう。

弁護士に依頼するメリット

さて、では弁護士に依頼するメリットについて考えてみよう。

1. 法的アドバイスの提供

弁護士は、法律の専門家だ。特に離婚に関する法律は複雑で、たとえば養育費の相場やその決定基準、変更の手続きなどについても、専門的な知識が必要である。相手方と合意している内容が全てという自信があったとしても、将来的にその合意内容が適切であるかどうか、冷静な判断が難しくなることも多い。

例えば、高額な養育費について合意している場合、その金額が妥当かどうか、あるいは今後の生活に支障が出ないかなどを考えると、やはり専門家の意見が重要になる。過去の先例や裁判の例を踏まえた上で適切なアドバイスを受けられるのは、弁護士ならではの強みだ。

2. 将来的なトラブルへの備え

お互いに揉めていない現状でも、将来的にトラブルが生じる可能性は常に存在する。特に養育費の支払いについては、生活環境や収入状況の変化によって変わることがある。弁護士を通じて公正証書を作成することで、万が一の時に備えた強力な武器を手に入れることができるのである。

例えば、養育費の支払いが滞った場合、弁護士が関与していることで、相手方に対する交渉や訴訟がスムーズに進むことが期待できる。また、弁護士は交渉の際に必要な書類や証拠を整えるプロであるため、トラブルが起きた場合でも安心して任せられる。

3. 公正証書の正確性

公正証書は、当事者間の合意を記録するものであるが、その内容が正確であることは非常に重要だ。弁護士が関与することで、法的な観点からも問題のない内容に整えてもらえるため、後々のトラブルのリスクを減少させることができる。

例えば、「養育費は月々○○円、支払日は毎月1日」といった具体的な内容を記載する際、法律に則った正しい表現で行われることが求められる。曖昧な表現や不備があれば、後にトラブルになる可能性が高いのだ。

弁護士が公正証書の写しを保管するか

読者からの質問にもあった通り、弁護士は公正証書の写しを保管することが一般的だ。これにより、万が一公正証書を紛失してしまった場合でも、弁護士を通じて再発行の手続きが容易になる。これもまた、安心材料の一つと言えるだろう。

まとめ

離婚は非常に感情的なプロセスであり、合意内容が全てだと思っていても、未来に何が起こるかは分からない。弁護士に依頼することで、法的なアドバイスを受けられるだけでなく、将来的なトラブルへの備えや公正証書の正確性を確保できる。何より、冷静な判断が難しい状況下でも、専門家のサポートを受けられるのは大きな安心材料だ。

もちろん、弁護士に依頼することは費用が発生する。しかし、長い目で見れば、将来的なトラブルを未然に防ぐための投資とも言える。特に、養育費の金額が高額な場合、その金額が適切であるかどうかも含めて、弁護士の助けを借りる価値は大いにあるだろう。

最終的には、自分自身と子供の未来を守るために、賢明な選択をすることが求められる。自分の人生における最良の選択をしていきたいものである。