読者からの質問:
飲食店やコンビニで、客が「何を言ってるか分からない、不愉快だ、お前なんかクビだ!!責任者出せ!!」と怒鳴ることがありますが、これってカスハラになるんでしょうか?その場合、警察沙汰になることもあるのか気になります。
カスハラと飲食店でのトラブル:法的視点からの考察
最近、飲食店やコンビニでのトラブルが増えていると耳にすることが多い。特に、お客さんが怒鳴り散らす様子がニュースで取り上げられることも少なくない。「何を言ってるか分からない。不愉快だ。お前なんかクビだ!!責任者出せ!!」といった言葉を投げかける姿は、まさにカスハラ(カスタマーハラスメント)の典型である。では、このような行為は本当にカスハラに該当するのか、また、場合によっては警察沙汰になることもあるのか、考えてみたい。
カスハラとは何か
まず、カスハラという言葉の意味について整理しておこう。カスハラは、顧客が商品の不備やサービスに対する不満を理由に、従業員に対して不適切な態度や言動を取ることを指す。この行為は、単なるクレームとは異なり、相手を攻撃する意図が明確である点が特徴だ。
例えば、私自身もバイト先で経験したことがある。ある日のこと、注文を受けた際にお客様が「そんなの待ってられない!」と怒鳴りつけてきた。この時、正直なところ、こちらも動揺した。なぜなら、私たちも説明する余裕もなく、ただただその場を収めようと必死だったからだ。
カスハラになる条件
では、実際に飲食店やコンビニでの怒鳴り声がカスハラに該当するのだろうか。一般的に、以下のような条件を満たす場合、カスハラとみなされることが多い。
1. 不適切な言動: お客様が従業員に対して攻撃的な言葉を使ったり、暴力的な行動を示したりする場合。
2. 従業員の業務妨害: お客様の行動が、他の客や従業員の業務に支障をきたす場合。
3. 反復性: 一度だけでなく、同様の行為を繰り返す場合。
具体的な例を挙げると、怒鳴り声で威圧する行為や、わざと大声で迷惑をかけるような振る舞いは明確にカスハラと見なされる。さらに、場合によっては暴言や暴力が伴うこともあり、そうなると事態はさらに深刻だ。
警察沙汰になる可能性
次に、カスハラが警察沙汰に発展する可能性について考えてみたい。一般的に、カスハラが刑事事件として扱われることは少ないが、暴力行為や脅迫が伴う場合、警察を呼ぶ理由になることがある。
例えば、ある飲食店でお客様が従業員に対して「お前を殺すぞ!」と言った場合、これは明らかに脅迫である。こうなると、従業員は安全を確保するために警察を呼ぶことができ、場合によってはお客様が逮捕されることもある。
実際に、私が勤務していた司法書士事務所でも、クライアントからのカスハラが問題になったケースを見たことがある。あるクライアントが、担当の司法書士に対して暴言を吐き、最終的には警察を呼ばざるを得ない事態に発展した。こうした事例は、決して珍しいものではない。
どう対処すべきか
では、もし自分が飲食店やコンビニでカスハラに遭遇した場合、どのように対処すれば良いのか。これも非常に重要なポイントだ。以下にいくつかの対処法を挙げてみる。
1. 冷静さを保つ: まずは、相手に対して冷静に対応することが大切だ。感情的になってしまうと、状況がさらに悪化することがある。
2. 記録を残す: もし可能であれば、カスハラの内容を記録しておくことも有効だ。後で証拠として使える可能性がある。
3. 上司に報告: 状況が深刻な場合は、すぐに上司や責任者に報告することが望ましい。彼らは適切な対処法を知っていることが多い。
4. 警察を呼ぶ: もし相手が暴力的な行動をとったり、脅迫的な言動をした場合は、すぐに警察を呼ぶことを考えるべきだ。
私自身も過去に、さまざまなトラブルに直面してきたが、最終的には冷静さを保ち、適切に対応することが解決への第一歩だと感じている。
まとめ
カスハラは、現代のサービス業において避けられない問題の一つである。飲食店やコンビニでのトラブルは、感情的なものであるがゆえに、法的な側面から見ても重要なテーマだ。怒鳴る行為がカスハラに該当するかどうか、また警察沙汰に発展する可能性について理解しておくことで、より良いサービス環境を作る助けになるのではないだろうか。
冷静な対応と適切な対処法を知っておくことで、自分自身の身を守ることができる。今後もカスハラについての認識を深め、サービス業に従事する者としての責任を果たしていきたいと思う。
