読者からの質問:
最近、フジテレビの渡邊渚アナウンサーに関する事件について、ネット上で「被害者にも非がある」とか「マクラを受け入れたんだから」といった意見を見かけますが、正直驚いています。この事件はフジテレビの第三者委員会が「業務の延長線上における性暴力」と認定しているのに、それを無視して被害者の行動を責めるのは、過去の性被害裁判で「ミニスカートを履いていたのが悪い」と言っていた時代と同じように感じます。
また、「自分なら行かない」とか「NOって言えば済む話」といった意見も多く見受けられますが、現場の空気や力関係を理解していないのではないでしょうか。業界では「NO」が「YES」になるような状況があるのが現実です。上の立場の人に睨まれたら、次の週から番組に呼ばれなくなることもあります。そういった背景を無視して「判断が稚拙だった」とか「社会人として失格」と言うのは、現実を理解していないと思います。
さらに、元フジテレビアナウンサーの長野智子氏が「私なら行かない」と発言して炎上したのも理解できます。悪意がなかったとしても、その発言は「私は強かったから被害に遭わなかった。被害に遭ったあなたは弱かった」という構造を含んでいます。力関係の中でNOが言えない状況に置かれていた被害者に対して、そのような言葉を無神経に発するのは、結果的に被害者の尊厳を傷つけることになります。
被害者を過剰に聖人扱いしろとは言いませんが、加害の構造を無視して「行動が軽率」とか「自分なら違った」と言う前に、まず「なぜそういう状況に追い込まれたのか
性暴力事件とその背景を考える
最近、フジテレビの渡邊渚アナウンサーに関する事件がネット上で大きな話題になっている。特に被害者に対する非難の声が多く見受けられ、驚きを隠せない。私も法律を学ぶ身として、この問題には深い関心がある。どうしてそんな意見が出てくるのか、少し考えてみた。
権力と同意の難しさ
被害者が「NO」と言えない状況にあることは、非常に現実的な問題だ。特に業界の上下関係や圧力の中では、個人の意志が簡単に無視されることがある。私も司法書士の事務所でバイトをしているが、上司の意見には従わざるを得ない場面も多々ある。そんな経験から、権力を持つ者が如何にしてその力を利用するか、ということの重さを感じる。
実際、私がバイトを始めた頃、上司に言われたことに対して「いや、そうは思いません」と言えずに苦労したこともあった。ちょっとした冗談が通じる場面でも、逆に不快感を与えてしまうのではないかとビクビクしていた。そんな中で「自分なら行かない」と簡単に言ってしまう人の気持ちが、私にはよくわからない。
無神経な発言がもたらすもの
元フジテレビアナウンサーの長野智子氏の発言も物議を醸している。彼女の言葉は一見すると強さを主張しているように見えるが、実際には「私は強かったから大丈夫だった。あなたは弱かった」というメッセージになりかねない。力関係の中でNOが言えない状況にいる人に対して、そうした発言をすることがどれほど傷つけるか、考えてみてほしい。
私自身、何気ない言葉が誰かを傷つけることは多いと感じている。友人との会話の中でも、軽い冗談が後になって響いてしまうことがある。だからこそ、相手の立場や状況を理解し、慎重に言葉を選ぶことが重要だと思う。
最後に
このような問題を考えると、被害者を非難する意見がいかに無理解であるかがわかる。私たちは、加害の構造やその背景を理解することから始めなければならない。自分の意見を持つことは大切だが、その前に相手の立場を理解する努力を怠ってはいけない。
読者の皆さんはどう思うだろうか？あなたの経験や意見をぜひコメントで教えてほしい。私たちが少しでも理解を深めるために、対話を重ねていきたいと思っている。
