読者からの質問:
中古車を購入したのですが、すぐにミッションに不具合が出て動かなくなってしまいました。これは契約不適合に該当すると思い、販売店に連絡したところ、自宅近くのディーラーで修理見積もりを取るように指示されました。修理（ミッション交換）の見積もりを販売店に提出したところ、契約を解除したいという返事がありました。理由を聞くと、修理費用のこともありますが、仮にミッションを直しても他に不具合が出る可能性があるからだそうです。最初からそんな不安定な車を売るなと思ってしまいます。

購入金額は300万円で、修理見積もりは190万円です。契約解除は双方の合意が必要だと思っていたのですが、販売店は一方的に修理を強要してもいいのでしょうか。また、販売店が契約解除をする場合、カーローンの金利や納車時の交通費、現在故障中でレンタカーを使っている費用などは補償しないつもりのようです。お互いに経費がかかっているので、そこは追求しないでほしいという言い分です。これについて、請求することはできるのでしょうか。

私としては、ミッション不良の車を販売した販売店が全額補償するのが当然だと思っています。修理するか、こちらにかかった費用を全額補償することを条件に契約解除のどちらかしかないと思っていますが、どうなのでしょうか。

中古車購入における契約不適合とその解決方法

中古車を購入された方が直面するトラブルと言えば、やはり「契約不適合」による問題です。特に、購入後すぐにミッションに不具合が出てしまったという状況は、非常に困惑させられるものです。私自身も過去に似たような経験をしたことがあるので、その気持ちが痛いほど分かります。今回はそのようなケースにおける法律的な視点からのアドバイスをお届けします。

契約不適合とは？

まず、契約不適合とは何かをおさらいしておきましょう。これは、売買契約に基づく商品の品質や性能が、契約内容に適合していない場合を指します。たとえば、中古車の場合、正常に動作するはずのミッションが故障している場合、これは明らかに契約不適合と言えるでしょう。

法律的には、売主には「瑕疵担保責任」があります。つまり、売った物に瑕疵（欠陥）があった場合には、その修理や交換、あるいは契約解除を求める権利が買主に認められています。このため、あなたのケースでも販売店が責任を負うべきです。

販売店の対応について

さて、販売店が「修理をしなければならない」と一方的に指示してきた件についてですが、ここにはいくつかのポイントがあります。

まず、販売店が修理を強要することは、法的には問題があります。契約不適合の場合、買主には契約解除や修理を選択する権利があるため、あなたが求めた条件（修理か全額補償）を無視することはできません。販売店はあくまで顧客の選択を尊重しなければなりません。

次に、契約解除に関する合意が必要だという点も重要です。確かに契約解除には双方の合意が必要ですが、契約不適合がある場合には、あなたが一方的に契約解除を求めることも可能です。これは、法律上認められた権利だからです。

損害賠償について

あなたが現在抱えている他の費用、例えばカーローンの金利や納車時の交通費、レンタカー代についても考えてみましょう。販売店がこれらの補償をしないつもりでいるというのは、非常に不当な対応だと言えます。

法律的には、契約不適合が発生した場合には、買主は売主に対して損害賠償を請求する権利があります。したがって、あなたはこれらの費用を請求することが可能です。もちろん、具体的な金額や状況によっては異なる場合もありますが、原則としては販売店の責任が問えるでしょう。

私の体験から学んだこと

私自身も過去に中古車を購入した際に、思いがけないトラブルに見舞われたことがあります。その時は販売店と交渉して、最終的には全額返金に成功した経験があります。交渉は難しいこともありますが、自分の権利を理解し、冷静に対処することが重要だと感じました。

次のステップは？

では、具体的にどのように進めていくべきか見ていきましょう。

1. 販売店との正式なやり取りを文書化する: 口頭でのやり取りだけでは証拠が残りません。メールや書面でのやり取りを心掛けましょう。

2. 法的アドバイスを求める: 必要に応じて弁護士や消費生活センターに相談することも考慮しましょう。専門家の意見を聞くことで、より明確な対策が取れます。

3. 損害賠償の請求: 購入時の契約書や修理見積もりをもとに、どのような費用が生じたのかを整理し、販売店に請求します。

4. 冷静さを保つ: トラブルに直面したときは感情的になりがちですが、冷静に事実を伝えることが、交渉を有利に進めるポイントです。

まとめ

中古車の購入は、特に初めての方には不安がつきものです。しかし、法律を理解し、自分の権利をしっかりと主張することで、多くのトラブルを回避できることがあります。あなたが直面している問題も、正当な権利を行使して解決できるはずです。

最後に、販売店とのやり取りがスムーズに進むことを願っています。どんな問題でも、適切に対処できる方法が必ずあります。あなたの経験が他の方にとっても助けになることを願っています。