Posted in2分間小説 「背中の向こう側」 夕焼けが校舎の窓を赤く染め上げる頃、彼女は一人、教室の隅にいた。心の中は嵐のように荒れていて、どこか懐かしい風景に目を向けても、その色は目に映らない。彼を振り返ると、その背中は遠く感じられた。彼がもう Posted by moe 2025-08-31
Posted in2分間小説 「スワイプの向こう側」 彼女は冬の寒さが肌に染み入る午後、マッチングアプリの画面を見つめていた。決して欲しいものが手に入らないように思えたこの世界で、ピンとこない写真たちが次々に流れていく。彼女の心には、深く消えない傷があっ Posted by moe 2025-08-28
Posted in2分間小説 「君の笑顔の裏側」 それでも、君は笑う 春の風が心地よく、桜の花びらが舞い散る道を、彼女は一人歩いていた。薄着の季節が訪れ、心の中に温かなものが溢れていた。半年以上、彼に恋をしていた。彼の笑顔、優しさ Posted by moe 2025-08-08